学名 : Asarum takaoivar. sanenense (予定)
花期 : 9月~12月
分布 : 長野県南部・静岡県西部・愛知県東部
多年生草本。根茎は短い。節間は短い。
葉は広ハート形からハート形、長さ2.9—9.4 cm、幅2.4—7.8 cm、葉長/幅 1.14、葉基部の厚さ0.21-0.58㎜、縁はふつう平らか少し下面に湾曲、葉基部は開くか又は重なる、先端はふつう少し尖るか丸い、まれに窪む、上面は暗緑色から緑色、ふつう光沢なし、下がり藤模様かあるいは無地、亀甲模様も多い、主脈と子脈は共に少し窪む、葉上面にまばらに長さ0.2—0.5㎜の多細胞の繊毛、葉縁に長さ0.26~0.62mmの多細胞の繊毛、主・側脈に共に多細胞の短毛の列あり、長さ約0.13—0.5mm、下面は明るい緑色、葉裏の脈は少し隆起、薄い赤紫色、ほぼ無毛だが主脈の先端部に少し繊毛あり、葉柄は暗褐色、まばらに繊毛あり、長さ0.25~0.8mm、基部の幅平均1.84㎜。托葉、新葉。
花は黄茶色から赤茶色または暗茶色、単一花、腋生、地上に傾状、花梗は長さ1.92—17.88mm。萼筒は短い筒形か稀に浅い鉢状、長さ4.31—10.12mm、幅7.4—11.73mm、開口部はやや開く、直径4.8-10.21mm、ノドは括れないでやや開く、口環あり、幅0.49—1.81mm、口環角度平均103.4度、単細胞の腺毛を伴う。筒外面は花色と同じで紫の細点とスジあり、無毛。萼筒内面は暗紫色、網目状の縦と横の隆起あり、縦数12—24、(多くは16~22)、横数4~5、隆起に単細胞の腺毛あり。縁に三裂片あり、萼裂片は水平か斜めに広がる、三角形から広三角形、先端は尖るか丸い、長さ4.42~9.65mm、幅7.30~13.23mm、平ら、上面基部に単細胞の腺毛あり、下面は無毛、両面に赤紫色の細点あり、萼裂片は萼筒より短い、比0.76。
雄蕊 は12、二つの輪に、ほぼ無柄、葯は外向き、直線、内輪は長さ1.49~2.72mm、外輪は1.14~2.60mm、内外比1.12。花柱は6 、離生、直立、柱頭は楕円形、長/幅1.53、外向き、垂直、先端に角状の突起物をもつ、長さ0.89~2.56mm、先端はわずかに二裂、萼筒の開口部に達するかまたは出る。子房は半ば上位。
*近接して分布するスズカカンアオイとは、裂片上に腺毛は有るが短毛は無いこと、萼筒に比べて萼列片が短い、萼筒内面の縦隆起線は14~24本でスズカカンアオイの9本より多いことで、区別される。また近接のカントウカンアオイとは、萼筒内面の縦隆起数がより多く、花柱の付属突起が長く、開口部に達することで区別される。 また近縁の春咲ヒメカンアオイとは、差異は少ないが、分布域及び開花期が隔離しているので区別される。愛知県 矢作川で、東はサンエンアオイ、西はヒメカンアオイと明らかに分かれている。